2010年1月14日木曜日

乳酸の役割

乳酸=疲労物質という構図がなんとなく定着しているのは、疲労すると血中に乳酸が増えるという実験結果からきているものです。乳酸というのは、体が活動するため、グリコーゲンやブドウ糖などの糖をエネルギーに変える時に一時的に生成されています。作られた乳酸は血中にたまりすぎると分解されず筋肉にたまっていき、筋肉を固くして機能を弱めさせるため、疲労を感じさせる不快なものといわれていました。
けれどもこの頃では、生成された乳酸はまたグリコーゲンに分解されて、筋肉を動かすエネルギー源として利用されていることもわかってきましたし、疲労を軽減する物質との見解も広まっています。何と無駄のないリサイクル。自分の体の中ですばらしいエコを発見して良い気分になりました。ただ、こうなると単純に乳酸=疲労物質とは言えません。はっきりした疲労の仕組みの解明はまだ少し時間はかかりそうですね。

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